未来予測 2
[お断り]
このページはwww.superstation.co.jp/kigakuの旧[気学占い]に掲載したものです。
今回「気学の部屋」を開設するに際して、[気学占い]に掲載した文章を全面的に見直すことにいたしました。「上元・中元・下元」もその一つですが、改めて読み直すと如何にも後付けのようなので没にするつもりでした。
ところが、読売新聞西部版の「読売ファミリー」から[21世紀の予測・あなたと家族の2001年]として執筆依頼がありました。未来を予測するとなると「上元・中元・下元」の考え方が必要であるため、原稿にこの一部を生き返らせるとともに、当ページに「未来予測2」と改題して残すことにしました。
なお、「付記」はその後、某紙に出稿したとき付け加えたものです。
平成12年12月15日 |
上元・中元・下元
甲子(きのえ・ね)一白の年から始まる180年間を一元として、それを三つに分けた最初の60年を上元、次の60年を中元、最後の60年を下元といいます。現在私達は1864年(元治元年)から2043年までの180年間に生活していることになりますが、各60年の区切り目を挟んだ前後(約±12年)は政治や文化、世相の変化、あるいは天災や疫病、戦争など、多数の死者を出す大きな出来事が発生しやすいとされています。
これを念頭に置いて過去を振り返ると、1864年(元治元年)から1923年(大正12年)までの上元60年間は、政治面では1853年(嘉永6年)ペリーの浦賀来航、56年(安政3年)ハリス下田に着任、その他桜田門外の変、寺田屋事件、生麦事件などの血生臭い事件が多発しました。そして戊辰戦争を経て王政復古の大変革、明治維新です。明治政府は積極的に西洋文化を取り入れ、国民は文明開化を謳歌した時代、つまり上元は文化万能の時代だったといえます。
次いで1924年(大正13年)から中元に入るのですが、その前年に関東大震災という未曾有の大天災に見舞われました。この時代(中元)は1983年(昭和58年)まで続きますが、この60年間は現在実用化されている多くの物が発明されていることから、中元は科学万能の時代だったといえるでしょう。
現在はというと、1984年(昭和59年)から2043年までの下元の時代に入ったところです。
米ソ両ブロックの枠の弛緩が進み、他国の対するモデル国家としての地位を失いつつある現状から、局地戦はあっても大戦争が起こるとは考えられないし、科学が進んだ今日では短期間に多くの人が疫病で死ぬとも思われません。ただ、新種のウイルスや強い抗体をもった病原菌の出現は考えられますが、それでも昔のように多くの人が疫病で死ぬことはないしょう。そうなると考えられるのは、忘れたころにやって来るという大天災しかありません。
人間は、会社ではコンピューターに使われ、工場ではロボットに使われる、ということがいよいよ進み、これからは人間にしかできない仕事、コンピューターを使う人、又は手に職を持つ職人さんの時代、つまり労働万能の時代になったのではないでしょうか。
昔「大学を出たけれど」という映画がありましたが、ホワイトカラー受難の時代が間もなくやって来そうです。こういうことを言うと叱られるかも知れないが、特別な事情がない限り、嫌がる子供を無理に大学へ行かせるくらいなら、手に職を付けさせることを考えたほうがよいかも知れません。
付 記
これを記したのが昭和61年の正月だったが、下元(昭和59年)に入ったときから機会ある度にこの話しをしてきた。しかし、残念ながらというか、幸いにというべきかつい最近まで何も起こらなかった。もっとも、大きな地震あり、大噴火あり、奥尻島では大津波で、普賢岳では火砕流でと、いずれも大きな被害をもたらしたことはあった。
「先生の予想が当たりましたね」という不謹慎な人もいたが、私の心中予想するものとは違っていた。昨年1月17日の阪神大地震が被害の大きさからして予想に近いものだろう。
「後からなら何とでも言える」と思われても仕方のないことだが、その序でに付け加えれば、政治面で大きな変革があったではないか。それは、永久政権と思われた自民党が下野し、万年野党と思われた社会党が政権の一翼を担うようになったことである。また、特異な事件としてオーム教団も挙げられるだろう。
今年は下元に入って12年目の一区切り、もう大事はないと思いたいが、現在は昔と違って原発事故や遺伝子組み換えによる事故など、人的不安要因が幾つもあって来年以降も油断は禁物である。
平成8年4月 |
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