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  Vol.3

住宅流通新聞 9月13日号「困った自称風水の開運家相本」

“風水と気学の違い”

〈S氏〉


〈S氏〉
“鬼門は風水から派生したと考えられる”
連載初回の8年1月26日号掲載文
私は風水について人様に言うほどの知識を持ち合わせていないので、「鬼門は風水から派生した」とは知りませんでした。

〈S氏〉
 「気学とは、日本独特の家相方位学であり、明治の後半に創始された、まだ百年の伝統もない新参の「占い」である。日本人だけが気にしている「鬼門・裏鬼門」などというものは、この気学から来ている」
住宅流通新聞 9月13日号掲載文

 日本人だけが気にしている、というのは多分その通りだろうが、これが気学からというのは頂けない。気学にも世間で言われるような鬼門という考え方はないが、丑寅というより鬼門の方が分かりやすいのでよく使うのは事実である。鑑定に際しては丑・寅と共に後天八白土星(易象・艮)、先天三碧木星(易象・震)をもって判断するのであって、これは気学(家相)の基礎知識である。

 鬼門という言葉ではなく、その内容を否定している私には、冤罪を告発されたような気分になりました。もし、S氏の云うように“百年の伝統もない新参”の気学が鬼門を創作したとすると、平安京の北東にある比叡山寺(最澄の死後に延暦寺と改称)と江戸城の北東に位置し、関東の比叡山として建立された東叡山寛永寺の鬼門封じと云う説は、百年にも満たない明治後半に生まれたということになるのですが、新たな説が生まれたと云うことでしょうか。
〈鬼門の由来など、詳細は鬼門を参照してください〉

〈S氏〉
 風水には鬼門という概念がない


(私)
 俗語である表鬼門・裏鬼門とは、北東60度の範囲と南西60度(S氏の主張する45度でもよいが)の範囲、つまり点ではなくて面を指すのだから、どんな家屋にも有って当然である。しかし、特に重要な意味がある訳ではない。

 本命卦の意味が分らないが、本命星のことなら気学の大きい要素である。これによって、本命殺/的殺 死気/殺気の凶方と生気/毘和/退気の吉方にわかれるのだから同じこと。全人類というのはどうかと思うが、歳破と五黄殺、暗剣殺の三方位は生年月日に関係なく、すべての人に対して凶方になること、そして先の吉凶/凶方と併せて、どんな暦にも記されていることで特別なことではない。

 風水に共通の凶方向がないから気学(方位)は間違っていると決め付けると、恐らく千万単位で出版されているであろう、馴染み深い「暦」まで否定することになるのでは。

 S氏の趣旨は、小見出しが“ドクター・Kのエセ風水”でしたから「本場中国の風水とは全く違うエセ風水学がでっち上げられたのである」ということだろうと思います。つまり、ドクター・Kこと建築家でもある小林氏の風水は気学である、と言いたかったので気学を俎上に上げたのでしょう。

 私も気学に似たところのある“怪しげながら取っ付きの良い[おまじない]”と思っていたので、S氏の思いがその点だけなら彼を揶揄するような反論は大人気ないことです。しかし、それならそれで、もっと気学を知ったうえで正しい批評をして頂きたいのです。

風水 [][][][][
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