関西の私鉄のうち京阪沿線の開発が一番遅れたのは、沿線の地盤が軟弱だったからだと言われています。学生のころ京阪をよく利用しましたが、確かに門真から寝屋川辺りまでの車窓には沢山のハス畑や池が写っていたのを覚えています。香里園辺りから京都寄りの風景は違っていたように思うが、枚方を過ぎれば淀川沿いを走るので、こちらも何か問題があったのかも知れません。他方ではこの線が北東と南西に延びるため、つまり大阪から京都は表鬼門に、京都から大阪は裏鬼門に当たる、いわゆる鬼門筋の方位が嫌われたとも言われており、現在でも多くの人に受け入れられているようです。
昔から自分に都合の悪い方角や場所の代名詞になっている鬼門について、「怖い・悪い」方位という先入観が先に立つせいか、多くの人はその理由を考えようとしません。方位/家相の専門家の手によるこの種の本やHPでは必ず「鬼門は大事な場所」という記載があり、そこで述べられている理由はほぼ100%中国起源説で、それ以外の理由にお目に掛かったことがありません。
鬼門の出所
鬼門の出所についていろいろ言われていますが、いずれもまことしやかな説です。
1.古代中国人の北方民族に対する恐怖心からという歴史に起因する説。
2.建築家は、鬼門についてカマドとの位置関係から、大陸では北東風が多く?、風上にカマドなどがあれば火の粉が家の中に入って危険であるという説。
3.なんとなく理論的な五行説に則った説(図示)。
4.数年前の某紙上で風水師S氏が発表した風水派生説。
(後になって気学派生説に変わりましたが、勿論気学から出たことではありません)
1と2は中国起源説ですが、日本には北方民族はいないし、季節風は大陸のことであって島国の日本に当てはまることではありません。風が理由で鬼門が決まるとすると日本では西か北西になります。
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なお、九星相剋説について少し説明すると、左図一番上の九紫火星から右回りにたどると、九紫火星・二黒土星・七赤金星・六白金星・一白水星、左回りだと、九紫火星・四緑木星・三碧木星で、右回りでも左回りでも、隣り合った九星は相生関係にありましが、八白土星だけが相克しています。
つまり、八白土星だけが隣局の三碧木星、一白水星と相剋しているから悪い方位=鬼門という説です。 |
諸説ある中これと思えるのは、中国の古い文献「山海経」に出ていた僅かな文言を、日本人が曲解したため迷信となったという説です。私はこの書物が書かれた時代やその内容を知らないので、何をどう曲解したのか分かりませんが、鬼門という概念が日本だけのものだとすると、多分この辺りが正解ではないでしょうか。
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