浄 化 槽 ”現代日本の家相学” 祥氣舎より発売中
何かとお世話になっている某社社長から自宅を新築するというお話しがありました。方位のことがあって、早急に土地を探すことになったが、気に入った土地がなかなか見つからず、私の方で沿線電鉄の系列不動産会社を紹介しました。暫くして古家付きの土地が2カ所あったと連絡を受けて見に行きましたが、あまり差を感じなかったので気に入った方を買うように勧めました。
A氏の希望に家相の配慮を加えた図面が完成し、古家の取り壊しから整地へと進んだとき、N建設の社長から電話が入りました。
「先生、えらいもんが出て来ましたわ」
遺跡と直感した私は「遺跡調査、完成が遅れる。その場合の方位はどうなる?」
「現地を見たのに何で分からんかったのか?」・・・・「えらいこっちゃ」と思ったとき、古家がることを思い出して一安心。
「遺跡でないとしたら埋蔵金?」それならよいが「死体やったらどないしょ」。
僅か十数秒の間だったと思うが全く言葉が出てきませんでした。
「もしもし・・・・先生、聞こえてますか。生(未処理)の浄化槽です」
浄化槽は意外ではなかったが、未処理のものがあったとは思いもよりませんでした。浄化槽の処理は、施主の要望があればそっくり掘り出す場合もあるが、普通は汚水をくみ出し、洗浄した後底を割り現場の残土などを入れて埋め戻します。見つかった浄化槽は一応処理してあったのですが、ちゃんと割ってなかったため、水が抜け切らずに溜まっていたらしく、家相上は未処理と同じです。場所はリビングの中央で、知らずに完成したら取り返しがつかなかったところです。
家相をよく理解しているA氏は、敢えて会社関係先の建築会社を避け、私が紹介したN建設に決められたのが幸いだったのかも知れません。と、言うのは、N建設はこれまで私の仕事を何度も手掛けたので、私の意向を熟知していたからです。浄化槽を見付けたのは、地中に何か埋まっていないかと思って見渡したら、その部分だけ土が変色していたらしいのです。
建築関係者の中には「家相にこだわると良い家は建たない」とか「家相は商売の邪魔」などと、私のような人間が介在するのを嫌う人がおり、施主の居ない建築現場へ顔を出すと邪魔物扱いする監督もいる。もし、今回の建築をこういう人達に発注していたら、生の浄化槽が埋まったまま家は完成していたかも知れません。
そして、10年くらい経つてから「家相が良いはずなのに何で?」
建物付きの土地は、元の家があったところに新築することが多いので心配は少ないのですが、分割した場合はこのような可能性があるので事前の調査が必要です。
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