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台所の方位   ”現代日本の家相学”  祥氣舎より発売中
家相(間取り)Q&A

 ある家相本(著者は一級建築士)に、居間や台所などの間取りと季節の風向きや日当たりなどの関係を検証したうえ、理由のつくものは「科学的に証明できる」、そうでない事柄は「多分荒唐無稽な迷信だろう」と書いてありました。
 その本では台所の方位について、東と東南を吉、南を凶としています。その理由として著者は、東から東南は日の出の方角だから、朝早くから台所で働く主婦は朝日を浴びて清々しく感じるだろうから吉、南は日当たりが良く暖かいため食品が腐りやすいから凶ということです。確かに太陽の昇る方角は一年を通してそうですが、朝日が入るとは限りません。何故なら、南か北向きのマンションだと、端家でない限り東西は壁になっているし、一戸建でも隣家との間が雨樋程度の隙間しかないような住宅なら同じです。
※台所とはシンクとレンジのことで部屋全体ではありません。

 家相上、台所にもっとも良い方位は東(大吉)、次いで東南、最悪は南(大凶)ですから結論はほぼ一緒ですが、理由は全く違います。 

方位 北東 東南 南西 西 西北
十干
九星 一白 八白 三碧 四緑 九紫 二黒 七赤 六白
十二支
五気(五行)色分け

 東の十干は甲と乙、十二支は卯、九星は三碧木星、これらの五行(表)はすべて「木」であるため、レンジの「火」とシンクの「水」が相生する(相性が良い)からです。


 東南の十干は乙と丙、十二支は辰と巳、九星は四緑木星です。このうち四緑木星と乙の五行は「木」だがら、レンジの「火」とシンクの「水」と相生します。しかし、残りの辰は「土」、丙と巳が「火」であるため、「土と水」「火と水」が相剋(相性が悪い)するゆえ、総合すると東ほど良くありません。

 南の十干は丙と丁、十二支は午、九星は九紫火星です。これらの五行はすべて「火」であるため、シンクの「水」と相剋する、つまり、一つも良い組み合わせがないので大凶になります。

 少し専門的になりましたが、吉か凶かという結論だけを求めるのなら、暦にある家相図や市販の家相本で事足りますから、私のような人間は不必要です。しかし、理由が分からないと全て気になって、その中に紛れ込んでいる迷信や不必要なものまで採用せずにおられなくなり、そうなると費用がかさみ、施工者にうるさがられた挙句、「住みにくい家」になることは必定です。

 家相の良い家は「住み良い家」でなければなりません。

 東と東南以外の台所は全て凶ですが、西北は比較的良い方です。また、西は金銭の問題というように、方位によって作用は異なり、住人の生年月日によってその強さも違ってきます。なお、南の台所を大凶としたのは、南は主として精神に作用するため、家族が自分勝手の考えを持つようになり、家庭破壊に至ることが多々あります。この台所は「住む人を選ばない」つまり、生年月日による差が小さいので最悪です。


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