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仏壇と神棚と邸内の神社(お社)   ”現代日本の家相学”  祥氣舎より発売中

 この件についてのお尋ねは便所の位置と同じくらいあります。それに対して「仏壇はこの方位に、神棚はここでなければならない」「鬼門の便所は大凶。便所は重要だから注意しなければ」などというと、大多数の納得が得られますが、果たしてそうでしょうか?

 仏檀と神棚は九紫火星に当たります。これと相生するのは三碧木星と四緑木星ですから、東向きが第一、東南向きを第二としますが、家の中心から東30度か東南60度の範囲内(図)であれば向きは問わないというのが家相における一応の決まりです。
 しかし、仏檀は家相にこだわって客間のような、普段あまり人気のない部屋に安置するより、いつも家族のいる居間が最適と言えるでしょう。


 仏檀や神棚には神仏がおられることになっていますが、それ自体はタンスや机と同じ「物」ですから生きているわけではありません。従って「気」がないのでその作用である「相」もありません。相がなければ当然吉凶はありませんから、東又は東南向きでも、あるいは東又は東南に安置していても「吉作用」はなく、それ以外であっても「凶作用」はありません。
 特に仏檀は家相にこだわって客間のような、普段あまり人気のない部屋に安置するより、いつも家族のいる居間が最適と言えるでしょう。

 邸内の神社(社)は方位に関係なく吉と判断します。但し、怠りなく祭られている場合に限りです。お社を建てた当人は熱心にお祭りするでしょうが、子供や孫の代まで同じように扱うかというと甚だ疑問で、もしそうなるとバチが当たるかもしれません。

 家相上、乾蔵や邸内の神社は大吉相に違いありませんが、後々のことまで考えれば「造らず祭らず」のほうが良いことになります。

余談になりますが、
 数年前にあるお宅の改築で設計〜入居までの一切を依頼され、現住居を見に行きました。家相上で特に留意しなければならない箇所はなかったのですが、60坪ほどの庭の隅にある石の前に立ったとき、不安感ではないのですがそれに似たものを感じました。私の体調でも悪いのかと思ってそのまま通り過ぎようとしたとき、施主が「20年前に亡くなった母親がタヌキか何かを祀っていましたがどのようにしたらよいか迷っています」と言い出しました。お社なら神社へ納めれば済むのですが石ではそうもなりません。庭をそのまま残すのならお祓いなど何らかの手立てをして庭石として使えるのですが、二世帯住宅への建て替えですから処分しなければなりません。タヌキの崇りなどあるはずはないのですが、施主の不安は当然です。家相監理を引き受けた以上はこれも守備範囲です。工務店に相談すると知り合いに霊感師がいるのでそれに頼むとのこと、施主も了解したので任せました。祀っていたのはタヌキではなくムササビだったらしいのですが、世の中には変ったものを祀る人がいるものだと思いつつ、無事に片付いてホットしたことを今でも覚えています。



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