万物は相剋よりなる
あらゆる事物は孤立して存在するのではなく、必ず対になるものがあり、それが対立して変化を生じ、対立のないところに変化はないとする易の陰陽二元論に根差したものです。例えば、一枚の紙にも表(陽)と裏(陰)があり、電気は陰陽対立して熱を生じ光を発するように、子供ができるのも女性(陰)と男性(陽)という対立する性があるからです。
相生(和合)相剋(対立)を利用したのが相性で、前者が良くて後者は悪いということです。私は相性の善し悪しなどなど、何の役にも立たないと考えているので、記憶に残る鑑定例は少ないのですが、その中で気が付いたことは、相性が良い(相生関係)夫婦は少子の傾向が強く、子供のない夫婦もあるということです。
ある経営者から「経営状態は悪くないが成長が見られないので先行きが不安。これと言った理由はないが精神的に疲れる」という相談がありました。社員の主な人の生年月日を調べると、二黒、五黄、八白の人ばかりでした。経営者は九紫ですから、互いに相生する関係、つまり経営者と相性の良い人を集めていたのです。以前に相談していた人の指導ということでしたが、対立がないということは新しく何かを作り出す力が欠ける訳ですから、先行きが不安になるのは当然です。また、九紫の火星と、二黒、五黄、八白の土星は「火生土」火が土を生むのですから、九紫は親で他は子供の関係です。いつまでもすねを噛られ続ければ疲れるのも当然です。
この二例が「万物は・・・・」の理を証明することになるか否か分かりません。しかし、世間では社員の新規採用に、経営者との相性を大事にする小さな会社や商店などが少なからずあります。社員が一人か二人のうちは、仲良しクラブのように楽しく仕事ができて良いかも知れませんが、人数が増えるに従い、互いにもたれ合いマンネリ化して、衰退の道を歩む・・・・・と、私は思うのですが。
|